総合計画策定方針
計画策定の趣旨
(別紙1(PDF形式:151KB)参照)
平成18年2月20日、渋川市、伊香保町、小野上村、子持村、赤城村、北橘村の1市1町4村の合併により誕生した「渋川市」は、合併による市域の枠組みの変化への対応に加えて、地方分権の進展や少子高齢化による人口減少社会の到来、また、厳しい財政状況下において、行財政改革の推進に基づく重点的、効果的な行政運営が求められています。
このような中で、社会が直面する問題や地域の課題に対応し、住民福祉の向上、地域の発展を目指し、新市の一体性を確立するとともに、地域の特性を活かした魅力あるまちづくりを目指す必要があります。
そのため、計画的な視点に立ち、市民の参画を得て、新市建設計画を踏まえた、渋川市の進むべき方向を明確に示す指針となる新しい総合計画を策定するものです。(根拠法令:地方自治法第2条第4項)
計画策定の背景
本格的な地方分権時代を迎え、地域間競争が現実のものとなり、これまで以上に自治体経営基盤の確立を図っていくことが求められています。
そこで、社会経済情勢の変化や市民ニーズを的確に捉え、将来にわたる政策課題を整理し、自立した新しい都市の創造を目指した総合計画を策定する必要があります。
北毛の中核都市としての役割
新しい渋川市は、日本そして群馬県のほぼ中央部に位置し、古くから交通の要衝として栄え、豊富な水資源を活かした工業、山地の開拓による農業や、温泉を中心とした観光業などを主要産業として発展してきた地域です。
新市のまちづくりにおいては、地域の一体性を築くために、地域間の融和を図り、多彩な資源を有効に活用した行政運営により、北毛の中核都市にふさわしいまちづくりを進めていく必要があります。
地方分権の進展
国の三位一体改革など地方分権改革が急速に進んでいる今日、自主的かつ自立的な行財政運営を実現するためには、地域の特性を存分に生かし、知恵と工夫を凝らした取り組みにより、自らの地域のことは自らの意思で決定する真の地方分権社会を確立していく必要があります。
少子高齢化による人口減少社会の到来
少子高齢化社会、さらには人口減少の時代を迎え、新しい時代を見据えた政策課題への対応が早急に求められています。
本市においても、急速に進む少子高齢化への対応や、社会資本整備のあり方についての検討を進める中で、こうした様々な影響を想定していく必要があります。
厳しい財政状況
国、地方における厳しい財政状況、さらには社会経済情勢の中長期的な予測が困難な時代において、健全な財政運営を進めていくためには、行財政改革を一層推進していく必要があります。
そのためには、施策、事業の重点的選択による、実現可能な計画を策定することが重要です。
社会不安の増大
地震や台風などの自然災害に加え、アスベスト健康被害や耐震強度偽装問題、さらには子どもを狙った凶悪犯罪など、市民生活における安全・安心対策は、全国的な課題となっています。災害を最小限に防ぎ、犯罪や事故等を抑止する環境づくりを行い、誰もが安全で安心して暮らすことのできる地域社会を実現していく必要があります。
高度情報化社会の進展
情報通信技術の急速な普及は、IT革命という大転換をもたらし、市民生活に劇的な変化をもたらしています。国では、この流れを更に加速させ、次世代のICT(Information and Communication Technology)戦略として、いつでもどこでも快適なネット利用ができる社会の実現に向けた取り組みが始まっています。
行政運営においても、ICT社会に対応した市民サービスの向上を図っていく必要があります。
総合計画の役割
総合計画は、新しい都市像を実現するための総合的かつ計画的な行政経営の指針であり、施策の方向性を体系的に表し、市政全般にわたる政策を統合した計画とする必要があります。
また、長期的な視点に立って、社会経済情勢の変化や市民ニーズの多様化などに的確に対応し、地域の課題や問題を解決する実行性のある計画とする必要があります。
総合計画の名称
総合計画の名称を「渋川市総合計画」とします。
計画の構成及び期間
(別紙2(PDF形式:46KB)参照)
総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画の3階層で構成します。
基本構想の期間は、平成20年度から平成29年度までの10カ年計画とし、基本計画は、社会経済情勢の変化に迅速に対応するため、前期・後期ごとの5カ年計画とします。また、実施計画は、基本計画との一体化を図るため毎年度ローリングによる3カ年計画とします。
基本構想「10カ年計画」平成20年度から29年度
基本構想は、長期的な展望に立って総合的かつ計画的な行政運営を行う指針であり、将来の都市像とまちづくりの理念を示すとともに、それを達成するための基本方針と施策の大綱を明らかにするものです。
基本計画「5カ年計画」
前期 平成20年度から平成24年度、後期 平成25年度から平成29年度
基本計画は、基本構想で定めた将来都市像やまちづくりの理念を実現するため、施策の大綱に基づき、必要な施策を体系的かつ具体的な事業計画として明らかにするものです。
実施計画「3カ年計画」毎年度ローリング
実施計画は、基本計画に定めた施策、事業を財政的な裏付けをもって計画的に実施することを目的とするもので、毎年度の予算編成等の指針となるものです。
計画策定の視点
時代の変化に的確に対応した実行性ある総合計画を策定するため、次の視点を重視します。
計画の実行性の確保
新市建設計画を計画から実行へと展開していくため、財政計画との整合を重視し、行政運営の指針となる総合計画を策定します。
行政運営の指針
- 将来目標と課題解決の方法を具体的に明記した計画
本市の現状と課題解決の方法を明確化するため、施策、事業の目標については可能な限り数値化及び具体化を図るとともに、手段となる主要な施策、事業の実施工程等を明らかにしていきます。
- 行政改革との整合
生活者の視点や市民と行政との協働、経営的視点を重視し、行政改革大綱との整合性を踏まえた総合計画を策定します。
財政計画との整合
財政計画に裏付けされた現実的な計画
厳しい財政状況の中で、計画を実行へと展開していくため、社会経済情勢を的確に捉えた財政計画との整合を十分に図り、施策、事業の実行性が担保された総合計画を策定します。
新市の一体性の確立
新市の一体性の確立と地域の発展を実現していくために、新市建設計画を踏まえた総合計画を策定します。
新市建設計画との整合
新市建設計画は、合併市町村の総合計画を踏まえ、合併後の新しいまちづくりの基本指針を示すものであり、合併に伴う財政支援を受ける際の根拠となるものであります。(市町村の合併の特例に関する法律第5条第1項から第4項)
総合計画の策定にあたっては、この新市建設計画を踏まえ、新しいまちの行政運営のためのプランを策定していきます。
各種分野別計画との整合
部門相互の連携による実行性ある行政運営を展開するため、計画段階から情報を共有化するなど、各種分野別計画と連動した総合計画を策定します。
なお、分野別計画とは、環境、福祉、都市計画、男女共同参画等の各分野ごとに策定する計画のことです。(例 環境基本計画・都市計画マスタープラン・男女共同参画プランなど)
地域特性の活用
地域の歴史や文化、産業、人材などの多彩な特性を生かした個性ある地域づくりと質の高い市民生活の向上を促進する総合計画を策定します。
幅広い市民参画
多くの市民が様々な方法で計画の策定過程に参画できる仕組みを推進するとともに、市民にとって身近な計画とするため、簡潔で分かりやすい表現に努めます。
策定体制
(別紙3(PDF形式:50KB)参照)
様々な手法により多くの市民の意見を策定の中に取り込むと共に、全庁を挙げて、課題解決に向けて検討していく体制とします。
庁内体制
(別紙4(PDF形式:95KB)参照)
「総合計画策定委員会」を設置し、全庁的な策定体制のもとに実施します。
策定委員会に専門委員会を置き、施策の方向性と具体的内容について議論し総合計画(案)を作成します。
策定委員会
策定委員会は助役を委員長に、特命助役、教育長を副委員長、渋川総合病院院長をはじめ、総合支所長を含む全部長を委員として構成し、基本構想及び基本計画の素案を審議し、総合計画(案)を作成します。
調整会議
調整会議は、企画部長を座長に、総務部長を副座長、関係する専門委員会の委員長及び副委員長、並びに関連部課長を委員として構成し、複数の専門委員会にまたがる重要事項(例えば「幼保一元化」など)の調整を必要に応じて行います。
専門委員会
委員会は、関係部課長を委員とし、新市建設計画の基本的施策を踏まえ、「都市基盤整備」「自然環境」「くらし安全」「健康福祉」「教育文化」「産業」「コミュニティ」「行財政運営」の8つの委員会をもって構成します。
また、策定委員長の指名により各専門委員会に委員長、副委員長を置き、総合計画素案を作成して策定委員会に報告します。
職員参加
職員全員参加を基本とし、全庁を挙げて職員自らが行政運営を点検し、総合計画を策定します。
- 職員ワークショップの開催
- 専門委員会に係る各課での施策・事業計画の検討
- 「各種分野別計画」担当者会議の開催
- 職員提案の募集
- 渋川まちづくり市民会議への参加
事務局
事務局を企画部に置き、企画課長を事務局長、地域調整課長を事務局次長に、企画課及び地域調整課職員を事務局員とし、総合計画に係る全般の調整及び庶務を行います。
市民参画
(別紙3(PDF形式:50KB)参照)
市民とともに策定する総合計画とするため、計画全般にわたり幅広い市民の意見や提言を反映させます。
その手法として、市民意識調査(市民アンケート)の実施や、渋川まちづくり市民会議の開催、地区別懇談会や分野別懇談会での意見聴取などを実施するほか、より多くの市民意見を計画策定に活かすため、素案段階での市民への公表とそれに対する市民意見公募(パブリックコメント)を実施します。
- 市民意識調査(市民アンケート)の実施
- 渋川まちづくり市民会議の開催(総合計画への市民による提言)
- 地区別懇談会の開催
- 分野別懇談会の開催(教育・福祉・産業など)
- 市民意見公募(ハ゜フ゛リックコメント)の実施・・・総合計画素案への意見募集
- 広聴活動を利用した意見聴取(市政モニターや女性懇談会など)(主管:秘書広報課)
地域審議会(主管:地域調整課)
合併前の地域ごとに組織された「地域審議会」を開催し、総合計画(案)を当該審議会に諮問し、幅広い視点からの審議による答申を受けて総合計画を策定します。
総合開発審議会
市民の代表者等で構成する「総合開発審議会」を開催し、総合計画(案)を当該審議会に諮問し、幅広い視点からの審議による答申を受けて総合計画を策定します。
議会への報告及び基本構想案の上程
総合計画の策定にあたっては、進捗状況を報告していくとともに、平成20年3月の市議会定例会への総合計画基本構想案の上程を目標に、策定を進めます。
策定スケジュール
(別紙5(PDF形式:257KB)参照)
平成18年度・平成19年度の2カ年で策定します。
平成18年度
- 総合計画策定方針の決定
- 総合計画策定委員会の設置
- 地域審議会・総合開発審議会への説明
- 渋川まちづくり市民会議の開催
- 基礎調査及び総合計画素案の作成
平成19年度
- 市民意見公募(パブリックコメント)の実施
- 地域審議会・総合開発審議会での審議・答申
- 総合計画(案)の決定
- 基本構想の議会議決
- 総合計画策定完了
平成20年度
総合計画スタート
計画の活用及び進行管理の方法
予算編成への反映
事業の進捗状況や推進体制、事業経費、実施工程等を表す実施計画書を作成し、財政状況との整合性を踏まえ、予算編成に反映させます。
行政評価制度の導入による進行管理
施策レベルでの行政評価制度を導入し、施策、事業の成果と目的達成度を把握し、有効性、効率性等の観点から、総合計画を進行管理していきます。
市民意識調査(市民アンケート)の実施
時代にあった市民ニーズを把握するため、今回の調査を皮切りに、本市の取り組みに対する満足度と重要度に関して調査を実施し、進行管理に活用します。