渋川市内で特別天然記念物カモシカを見つけたときのお願い
カモシカについて
(写真はすべて関敏雄さん提供)
種別
国指定特別天然記念物
所在地
地域を定めず(種の指定)
指定年月日
昭和9年5月1日「天然記念物(史蹟名勝天然紀念物保存法)」
昭和30年2月15日「特別天然記念物(文化財保護法)」
ニホンカモシカとは
ニホンカモシカ(以下カモシカと呼ぶ)は、北海道と中国地方を除いた本州・四国・九州の山地丘陵地帯に生息する日本の固有種です。学術的な貴重性が認められ、昭和9年に国の天然記念物に指定されましたが、第2次世界大戦後、良質な肉と皮を目的とした密漁等によって分布域が縮小し、地域的な絶滅の危機にありました。そのため、昭和30年に特別天然記念物に昇格指定され、保護政策がとられてきたことで、近年は個体数が回復し分布域が拡がっています。
カモシカは渋川市内にも生息しており、山間だけでなく民家周辺にも出没することがあります。
特別天然記念物カモシカの保護について、ご理解とご協力をお願いします。
カモシカを見かけた場合
生きている場合
カモシカは比較的おとなしく、人に危害を加える動物ではありません。帰巣本能があり、しばらくすると山に帰っていきます。手を触れずに、様子を見守ってください。必要以上に近づいたり、騒ぎ立てたりして、興奮させないようにしてください。
人身への危害のおそれがある場合
原則としてカモシカを捕獲することはできませんが、道路上で交通の妨げとなったり、事故等のおそれがある場合は、発見した場所の自治体の担当課へご連絡ください。
衰弱し、動けなくなっている場合
原則としてカモシカを保護することはできませんが、ケガや病気などにより、自力で立ち上がれなくなっている場合は、発見した場所の自治体の担当課までご連絡ください。
死亡している場合
発見した場所の自治体の担当課までご連絡ください。職員が現地で死亡個体の確認・調査を行います。
道路上で交通の妨げとなっている等の場合を除き、その場から動かさないでください。
子どものカモシカを見つけた場合
一見、親とはぐれて「迷子」のように思えても、通常は近くに親がいて様子をうかがっています。カモシカは一度人に捕獲されると、野生復帰が困難です。手を触れずに見守ってください。
カモシカを捕獲・飼育することは、特別の理由があって許可を受けた場合を除き、法律により制限されているためお止めください。
カモシカの特徴
カモシカとニホンジカの違い
姿 |
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名前 | ニホンカモシカ | ニホンジカ | |
角 |
オス、メスともに後ろ向きに伸びた2本の角を持つ。 |
オスは枝分かれした2本の角を持ち、メス・幼獣は角を持たない。 | |
体毛 | 白色、灰色、灰褐色(個体差がある) | 茶色(夏には白い斑点が出る) |
カモシカは偶蹄目ウシ科の動物で、ウシやヤギに近い種類です。オスとメスで体の大きさや角にほとんど違いがありません。主に単独で行動します。10月頃が繁殖期で、4月から6月に1頭、まれに2頭子どもを生みます。反芻性の草食動物で、早朝と夕方に採餌し、長時間座りこんで休憩しながら反芻していることもあります。角には毎冬に形成される年輪があり、年齢を推定することができます。