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「広々とした木の家」を求めて2年。
ついに辿りついた家族の理想郷。

南雲さんご家族
ご主人の転勤に伴い、日本各地を転々としていたという南雲さん夫妻。お子さんが生まれてからは、玉村町でアパート住まいをしながら、条件に合う一戸建てを粘り強く探し、ついに渋川市にある好条件の古民家を入手。その経緯や現在の暮らしについて話を伺いました。

段違いに充実していた渋川市の「空き家バンク」

今から3年ほど前に、上の娘が小学校に上がる年になったことをきっかけに、そろそろ一戸建てを持ちたいと考え、住宅展示場めぐりを始めました。僕は、新潟県の自然豊かなところの出身で、住むなら木をふんだんに使った広い家に住みたいと思っていたんです。

ところが、これが新築だとものすごく高いんですね。とても僕らの世代では手が届かない価格で。

 

それで、中古住宅も視野に入れ、何かの雑誌で目にした「空き家バンク」で物件探しを始めました。「空き家バンク」はそれぞれの自治体が運営しているのですが、渋川市のサイトは他の市のものより段違いに充実していて、とても見やすくて。それで、妻がちょくちょくチェックするようになったんです。

 

外観

 

同じころ、僕が何気なくインターネットで「群馬」「木の家」をキーワードに入れて検索した際、群馬県古民家再生協会の会員で、自身でも建設会社を経営されている方のフェイスブックを見つけたんですね。直感ですぐにその方とコンタクトを取り、妻と一緒に相談に行ったら、もうすっかり意気投合してしまいまして。

 

その後は、「空き家バンク」で物件を見つけるたびにその社長にプロの目で確認してもらい、的確なアドバイスをいただくことができたんです。その出会いが僕らにとってかけがえのないものとなりました。

 

南雲裕一郎さん

 

使えるものはできる限り残してリフォーム

この家は、築70年くらいで、かつては養蚕農家さんのものでした。前の持ち主の方がとても大切にされていて、遠方に住んでいらっしゃるのに、必ず週に1回は空気の入れ替えに来てくださっていたそうで、そのお陰で中の傷みが本当に少なかった。

 

たまたまこの物件がサイトに掲載された日に私が見つけたのですが、もう理想通りの条件に鳥肌が立ちました。うそ、これ、本当?って、サイトを閉じてまた立ち上げたりして(笑)。で、すぐに担当の方に連絡して見に行き、(前出の)社長さんにも連絡して翌日に見ていただいて、これなら大丈夫とお墨付きをもらい、すぐに購入を決めました。

 

この物件に出会うまでに2年ほどかかりましたけど、焦らずに待っていて、本当によかったと思いますし、大げさなようですが、運命のようなものを感じています。

 

表札が印象的な玄関

 

その後、社長さんと相談しながらリフォームにとりかかったのですが、主人も私も古い物の佇まいが好きなので、キッチンやお風呂などの水まわりだけ新しい設備を入れてもらって、そのほかは使えるものはすべて残してもらいました。幸い、社長さんの会社に古民家修復の技術を持つ職人さんがいたので、私たちは希望する雰囲気と予算を伝えて、あとは社長さんと職人さんに全部おまかせしました。

 

リビングの床も、あえて畳にしたんです。昔ながらの縁付きの畳です。主人がごろんと寝ころぶにはやっぱり畳がいいなって。広い縁側もそのまま残してもらいました。ここで西瓜を食べてみたかったんです。引っ越していちばんに皆で並んで実現しました(笑)。

 

古い梁を残した縁側

 

娘2人の小児喘息も漆喰壁と泥遊びで改善

今はこの家で、本当に楽しく暮らしています。大きな窓からこの景色を毎日家族で眺めて暮らすなんて、夢みたいだなと感じます。ふつうこの環境を手に入れるためには相当山奥までいく必要があると思うのですが、渋川市では、大きなスーパーがある街中から5分くらい車を走らせるとこの景色になるんです。

 

昼間は街中で仕事をして、家に帰れば別荘地のような環境が待っている。街も山も近くて、しかも質のよい温泉がたくさんあって。なかなかこういう場所はないですよね。

 

南雲美予さん

 

娘たちも、スマホやパソコンなどにはもう興味がないようで、家の中で大黒柱に2人してのぼったり、外で泥んこ遊びをしたり、自転車の練習をしたりしてのびのびと過ごしています。そして、夜は2階の二十畳ある部屋で、4人で布団を並べて合宿のようにして寝ています(笑)。

 

大黒柱で遊ぶ子どもたち

 

そういえば、家の壁は全部漆喰で塗りなおしてもらったのですが、娘2人の小児喘息がかなりよくなって、それも本当にうれしいことです。アパート暮らしのときは咳がひどく出て2人とも相当苦しんでいましたので、そこから解放された娘たちの姿を見られることは何よりうれしいですね。

 

箪笥と七夕飾り

 

若者の移住助成や子育て支援にも手厚い渋川市

私たちは、物件の質を優先して、場所は絞らずに探していたので、渋川市に住むことになったのは偶然のことでした。でも、今はここで生活できることに心から幸せを感じています。環境のすばらしさはお伝えした通りですが、自然災害もとても少ないですし、移住者のための助成にも手厚い自治体です。

 

とくに39歳までの人には使える助成金が多くて、私たちもありがたく活用させていただきました。子育て支援も充実しています。幼稚園・保育園は無料ですし、給食も小学校・中学校は無料なんです。スクールバスの送迎もあるし、至れり尽くせりです。

 

のびのび遊ぶ子どもたち

 

すぐそばに伊香保温泉という伝統ある観光地があるためか、渋川市の人たちは、群馬県の中でもとてもほがらかで優しい印象があります。近所の方々からも、もう食べきれないくらいの野菜をいただくんです。それを家族みんなで無駄にしないように食べるのがまた楽しいんですよね。

 

だから、つくる料理も変わりました。いただいたふきできゃらぶきをつくったり。梅で梅酒をつくったり梅干しをつくったり。ゆず酒もおいしかったですよ。いただいた素材で、季節のものをつくり、家族で味わう幸せを実感しています。

 

軒下にツバメの巣

 

僕らのような30代の夫婦でも、渋川市では、こんなに広々とした家と環境を手に入れることができます。渋川市のいろいろな方々にお世話になって、僕らのこの理想の暮らしが実現したので、ぜひたくさんの方にここに来て、渋川市の良さを知ってもらえたらと思います。

 

もし興味のある方がいたら、ぜひ遠慮なくモデルハウスとして僕らの暮らしを見にいらしてください。この素晴らしい環境を多くの方に知ってもらって、移住する方がひとりでも増えることが、僕ら家族にとっても最大の喜びなんです。

 

南雲さん宅遠景

writer:笠井峰子、取材:2021年7月

Profile

南雲裕一郎さん・美予さん夫妻

ご主人の裕一郎さんは新潟県出身。奥さまの美予さんは群馬県出身。7歳と5歳のお子さんを加えた4人家族で、1年前に渋川市に移住。移住促進のための広報役も務めてくださる、市にとっても頼もしい存在です。

南雲さんご家族

掲載日 令和3年8月26日 更新日 令和6年1月18日
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