金井遺跡群の出土品が国の重要文化財に指定されます
3月に国の文化審議会が開催され、金井遺跡群から出土した考古資料を重要文化財(美術工芸品、考古資料の部)として指定することが答申されました。
金井遺跡群とは、「甲を着た古墳人」などが発見された「金井東裏遺跡」と地域の有力者の拠点施設とされる「囲い状遺構」などが発見された「金井下新田遺跡」の総称です。上信自動車道の建設に先立って、平成24年から令和元年にかけて県埋蔵文化財調査事業団によって発掘調査が行われました。「甲を着た古墳人」が発見された当時、日本中から大きな注目を集めました。
▲甲を着た古墳人の出土状況(写真提供:群馬県)
指定される出土品
「甲を着た古墳人」が身に着けていた甲や金属製品、ガラス玉、土器など総数1,801点です。
▲金井東裏遺跡の主要出土品(写真提供:群馬県)
▲金井東裏遺跡 「甲を着た古墳人」関連の主要出土品(写真提供:群馬県)
▲金井下新田遺跡の主要出土品(写真提供:群馬県)
重要文化財に指定される理由
地域の有力者の存在、生産活動、祭祀、朝鮮半島との関わりを示す資料が豊富で、6世紀初頭の古墳時代社会の一端を明らかにすることができるということが評価されました。「甲を着た古墳人」が身に着けていた武器・武具、道具類は、前方後円墳の副葬品と比べても遜色がない大変貴重なものです。
出土品展示場所
群馬県立歴史博物館(高崎市綿貫町・電話:027-346-5522)
群馬県埋蔵文化財調査センター発掘情報館(渋川市北橘町下箱田・電話:0279-52-2513)
渋川市の取り組み
市は、金井遺跡群周辺の発掘調査が行われていない場所で、遺跡の広がりを知るために地中レーダー探査を実施しています。
金井東裏遺跡の周辺で、これまでに地中に埋まっている3基の新たな古墳を発見しています。
6月29日(日曜日)まで開催している赤城歴史資料館企画展「渋川市と自然災害」で地中レーダー探査の状況や「甲を着た古墳人」のレプリカなどをご覧いただけます。