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渋川市トップ観光観る歴史・伝統遺跡・史跡> 道訓前(どうくんまえ)遺跡

道訓前(どうくんまえ)遺跡

県重要文化財の指定答申について(平成19年2月14日)

  平成19年2月14日群馬県文化財保護審議会は、2月13日に開催された同審議会で、渋川市北橘町の「道訓前遺跡」から発掘された出土品約3,000点を県指定文化財に指定するよう県教育委員会に対し答申しました。

県重要文化財の指定について(平成19年3月27日)

  平成19年3月27日付け県報(PDF形式:518KB)で、「道訓前遺跡出土品一括」を群馬県指定重要文化財として指定したと告示されました。

国重要文化財の指定答申について(平成19年3月16日)

  国の文化審議会は平成19年3月16日(金曜日)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに31件の美術工芸品を国宝または重要文化財に指定することを文部科学大臣に答申しました。この中に渋川市の道訓前遺跡が含まれており、官報告示を経て、渋川市内の国指定重要文化財は4件(石造笠卒塔婆、石造不動明王立像、房谷戸遺跡出土品)となりました。なお、渋川市所有(補足)の文化財が国指定重要文化財となるのは初めてのことです。

(補足)他の3件は個人または自治会、県の所有

国重要文化財の指定について(平成19年6月8日)

  平成19年6月8日付け官報(PDF形式:114KB)で、「道訓前遺跡出土品165点」を国重要文化財に指定したと告示されました。

  出土品の一部は北橘歴史資料館に展示しています。

道訓前遺跡出土品の一部

焼町土器の写真

  焼町土器(国指定重要文化財)

三脚付石皿の写真

  三脚付石皿(県指定重要文化財)

遺跡の内容

  道訓前遺跡は赤城山麓の緩やかに南西に伸びる台地(標高320メートルから330メートル)に立地しています。

  発掘調査は旧北橘村教育委員会が平成8年度・平成9年度に行い、本遺跡が縄文時代中期中葉から後葉にかけての大規模な環状集落であることが判明しました。調査面積は約3,400平方メートルで、全体の4分の1に相当し環状集落の南西部分にあたります。

遺跡の状況

  縄文時代中期中葉から後葉の竪穴住居跡40軒、土こう264基を検出しました。

出土遺物

  群馬県は関東平野と中部山岳地帯との中間部にあり、原始より平野部からの人々や山脈を越えた人々との交流が見られる地域です。

  道訓前遺跡からの出土遺物は縄文時代中期で、新潟県や長野県、南関東、北関東周辺地域との文化交流の様子や、赤城山麓に芽生えた地域文化の特色を示す土器群と共伴する石器群です。

  石器類は、使用して磨耗の目立つ打製石斧や磨石が多く、三脚を削りだす特異な形状の石皿や石棒、けつ状耳飾(補足1)、砥石などがあります。

  特に本遺跡の特徴として、この地域独特の文様を付した「焼町土器(やけまちどき)(補足2)」があります。この土器は群馬県西部から長野県東部にかけて比較的限定された地域に見られます。さらに、赤城山麓を中心に分布し、  この地域の個性豊かな土器として知られる「三原田式土器(補足3)」も出土しています。三原田式土器は、南関東からの「加曽利E1式土器(補足4)」へ変容、吸収され、「加曽利E2式土器」の時期にこの遺跡は終焉を迎えます。

  本遺跡出土遺物は、赤城山麓一帯で縄文時代中期に地域に根ざした地方独自の生活・文化が営まれていたことを示す貴重な遺物です。

指定理由(基準)

  土器、石器、木器、骨角牙(が)器、その他縄文時代及びそれ以前の遺物で学術的価値の特に高いもの

  1. 出土品は、縄文時代中期中葉から後葉に限定されるもので、共伴する土器から編年研究及び地方の文化の確認において学術的価値が高いもの。
  2. 出土品は本県と他地域との交流と同時に地域の特徴を示す造形を成し、土器形式学的にも重要な出土品。

用語説明

  (補足1) けつ状耳飾:円環の一部が欠けている石製の耳飾

  (補足2) 焼町土器:長野県塩尻市焼町遺跡から発見された土器。4個の突起と全体に隙間なく文様を描くのが特徴

  (補足3) 三原田式土器:渋川市赤城町の三原田遺跡から発見された土器。頭に立体的な文様がぐるっと巡って付くのが特徴。

  (補足4) 加曽利E式土器:千葉県千葉市加曽利貝塚で発見された土器。

国指定重要文化財「道訓前遺跡出土品」が英国大英博物館に展示されました

焼町土器の画像

  英国ロンドン市にある大英博物館で、大英博物館と文化庁が主催した企画展「土偶 THE POWER OF DOGU」が開催され、その展示資料のひとつとして、「道訓前遺跡出土品」のうち1点が選ばれました(上段の写真)。

  また、この企画展は、大英博物館での展示後に東京国立博物館で帰国記念「国宝土偶展」として開催され、好評を博しました。

会場

  海外展「土偶 THE POWER OF DOGU」大英博物館(英国ロンドン市)

  帰国展「国宝土偶展」東京国立博物館(東京都台東区)

会期

  海外展 平成21年9月10日から平成21年11月22日

  帰国展 平成21年12月15日から平成22年2月21日


掲載日 平成27年8月29日 更新日 令和5年12月12日
このページについてのお問い合わせ先
お問い合わせ先:
教育部 文化財保護課 埋蔵文化財係
住所:
〒377-0062 群馬県渋川市北橘町真壁2372番地1
電話:
0279-52-2102
FAX:
0279-52-4008
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