認知症を正しく理解しましょう
認知症とはどんな病気
認知症は脳に起きた障がいによって、もともと備えられていた知的・精神的能力機能が低下し、日常生活を送ることが困難になる病気です。認知症は誰もがかかる可能性のある身近な病気なのです。
認知症の主な原因は
認知症の原因はさまざまなものがありますが、「変性疾患」と呼ばれる代表的な疾患には、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症などがあります。代表的なものはアルツハイマー型で、認知症全体の約50%を占め、脳血管性認知症は、認知症全体の約15%を占めると言われています。この他に、認知症と同じような症状が現れるが治療可能な病気として、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、甲状腺疾患などがあります。
認知性は一般的には高齢者に多い疾患ですが、65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」といわれます。
アルツハイマー型認知症
脳の神経細胞が死滅、変性し、脳が萎縮して機能が失われる病気です。ゆっくりと進行するため、周囲の人が気づいた時には、重症化していることもあり、70歳以上で発症しやすく、女性に多いのが特徴です。
脳血管性認知症
脳梗塞など、脳の血管障がいなどで脳への血流が悪くなり、脳細胞が死滅して起こる病気です。発作を繰り返すことで進行し、手足のまひなど、60歳から70歳で発症しやすく男性に多いのが特徴です。
見逃さないで、初期のサイン
誤った知識が病気の進行を招くことも
認知症は、早期に発見して治療やケアを受ければ、症状を軽減したり、悪化をある程度防ぐことができます。また、ほかの病気が原因で認知症の症状が出ている場合は、治療によって回復することもあります。しかし、認知症についての知識が不足しているために、発見が遅れて症状が進行していたり、誤った対応をとったために、本人だけでなく家族も苦しい思いをする場合もあります。認知症のサインを見つけたら、早めに医療機関へ相談することが大切です。まずはかかりつけ医へ相談しましょう。
群馬県認知症疾患医療センター
認知症の方やご家族、関係機関からの認知症に関する様々な相談に専門の相談員が応じます。認知症かその他の病気ではないか必要な検査を行い、総合的に判断します。診断に基づいて、その方に応じた治療などの方針を検討します。
認知症サポート医
認知症の人の診療に習熟し、かかりつけ医への助言やその他の支援を行い、専門医療機関や地域包括支援センター等との連携の推進役となる医師です。
必要なのは、温かいコミユニケーション
認知症は、記憶障がいが進行していく一方、感情やプライドは保たれるので、本人は、周囲に対して不安を抱き、周りの対応次第では、焦りや怒りなどを感じやすくなります。認知症であっても、適切なケアがあれば心身の力が引き出され、その人らしさは残ることが明らかになっています。認知症の人が安心して、その人らしい生き方を最後まで送るためには、家族や地域の人の理解と支援が必要です。
認知症患者への接しかた
- 話をよく聞き、笑顔でうなずく
- スキンシップをこころがけ、やさしく接する
- 役割が果たせるよう支援する
- 怒らない、否定しない、さびしくさせない
地域のサービスを利用しましょう
認知症の人を介護する家族の精神的・肉体的な負担は非常に大きいものです。認知症を恥ずかしく思ったり、他人に迷惑をかけたくないという思いから、家族だけで問題を抱え込み、疲れ果ててしまうケースもみられます。それは、本人にとっても家族にとっても、望ましいことではありません。認知症に対しては今、社会的なサポート体制が整いつつあります。家族だけでみようとせず、地域の医療・保健・介護・福祉サービスを積極的に利用しましょう。
出典:渋川市認知症とともに生きる地域ふれあい条例
同じ立場の人とつながるために~認知症の人と家族の会の紹介~
「認知症について不安がある」「認知症の人の介護経験がある家族に、話を聴いてほしい」
公益社団法人認知症の人と家族の会群馬県支部では、認知症の人や家族などの相談に応じています。
認知症を予防するために
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病を放置しない
- ウオーキングなどの有酸素運動を行う
- バランスのよい食生活を送る、特に野菜や果物、魚を多く食べる
- 趣味やスポーツ、友達づきあいを楽しむなど、日常生活を活発にする
認知症は、生活習慣を改善させていくことで予防につなげていくことができる病気です。